プロのイラストレーターにとって、手描きのイラスト原稿をデジタルデータにすることは、デジタル上でイラストを制作することと並んで重要です。
アナログ原稿のデジタルデータ化は、原画をスキャナーでスキャンするか、デジタルカメラで撮影するしかありません。
比較的手軽に行えるのは前者ですが、印刷原稿としてきちんとしたレベルのデータを作るには、それなりのコツを必要とします。
そこで、スキャニングと画像補正について詳しく説明したいと思います。
スキャナーは大きく分けると3種類ありますが、イラスト制作で使うのはフラッドヘッド・スキャナーです。
透明な円筒形のドラムに原稿を巻くドラムスキャナーは、印刷所などで使用されます。
非常に高精度な画像を得ることができますが、大型でとても高価であり、当然一般の使用には向きません。
シートを1枚づつ送っていくタイプのドキュメントスキャナーは、大量の枚数をスキャンするのには便利ですが、厚みのある原稿や大きさのある原稿には不向きです。
汎用のフラッドヘッド・スキャナーには、A3サイズとA4サイズがあり、A4サイズが価格も安く一般的です。
A4スキャナーは数千円から数万円まで幅広い価格帯の製品があるが、基本的にはなるべく上位の機種を選ぶべきです。
安価な機種と上級機とでは、原稿に光を当てて読み取る際の光源や、データ読み取り装置の種類や性質が異なり、画像のクォリティに少なからず差が生じてしまいます。
スキャナーで原画をデジタル化した後は、Photoshopで画像補正を行う必要があります。
画像の補正を行うことは、データの一部を捨てることになり、多かれ少なかれ画像の劣化が起きてしまいます。
大切なのは、なるべく補正の回数を少なく、できれば一回で求める品質の画像を得られるようにすることです。
補正の仕方によっても劣化の度合いが変わってくるので、注意が必要です。